さいたま市保育園連絡会

災害が頻発する今こそ、大切な家族を守れる丈夫な「家」がほしい…。
その願いを実現する「レンガ造りの家」の隠れた魅力とは?

〝おとぎ話〟でも安心・安全な家はレンガ造りだった

 さいたま『三匹のこぶた』はどなたでもおなじみのおとぎ話ですね。一匹目のこぶたはわらで、二匹目は木で、三匹目はレンガで家を造る。わらや木の家はオオカミに吹き飛ばされてしまいますが、レンガの家だけはびくともしなかった…。レ ンガ造りの家が頑丈だということが伝わるお話です。このお話は18世紀ごろの作品とされていますが、古くからレンガが丈夫な建築材料として評価されていたことがわかります。
 17世紀ごろまで、欧米では住宅は木造が主流でした。しかし1666年のロンドン大火で木造家屋が密集したロンドン市内では85%もの家屋が焼失したと言われています。同様のことがイタリア、ドイツ、アメリカでも起こり、これがきっかけでレンガ造りの家屋が急速に増加していきました。
 1100~1200℃で焼成されるレンガは優れた耐火性能を持っており、火災に強いのです。またレンガの内部には無数の小さな気泡が存在しています。このため外部からの温度変化に影響を受けにくい断熱性も持っています。またこの気泡は音を遮断してくれます。レンガは耐火性・断熱性・遮音性に優れた材料と言えます。
 地震大国・日本では、レンガ造りはなじまないと思っている人も少なくないでしょう。しかし木造や鉄筋などとレンガを組み合わせることで耐震性は高くなり、震度6の揺れにも耐えるというデータもあるほど。その耐火性と合わせると災害に強い材料であると言えます。

災害に強いレンガの魅力が見直されている

 レンガ造りの建物というと、レトロなイメージをお持ちの人も多いでしょう。明治時代には欧米から取り入れた近代文明の象徴として、日本でもレンガ造りの建物が増えていきます。2024年から一万円札の肖像として登場する渋沢栄一の話題でお目にかかる東京駅や、世界遺産に登録された富岡製糸場、横浜の赤レンガ倉庫など、いずれも明治・大正期に建てられたもの。その外観の美しさだけでなく、火災の多い日本の都市ではその優れた耐火性などから、レンガ造りは最先端の建築法として各地に広がっていきます。
 しかし1923年の関東大震災により、耐震性を考慮していなかった当時のレンガ造りの建物の多くが倒壊。甚大な被害を生じてしまい、これ以降は日本でのレンガ造りブームは急速に下火となっていきました。
 さて最近、そんなレンガが再び注目されているのをご存じでしょうか。昨今、台風や豪雨などの自然災害は猛烈化・巨大化しています。「記録的な」「観測史上初」などの言葉も耳にすることが増えました。家屋の倒壊など各地で大きな被害を出し、私たちの暮らしを破壊してしまう自然災害が多い中、災害に強い建築材料としてレンガの魅力が見直されているのです。

年月を経るごとに深みと味わいを増すレンガ

 欧米のレンガ造りの建物や、日本の東京駅や富岡製糸場などの歴史的建造物は、長い年月を経て深みを増してレンガ独特の風合いを醸し、見る者に味わいと趣を与えています。これが経年美と言われるレンガの魅力のひとつ。また「レンガ寿命は100年」とも言われる耐久性が特長で、メンテナンスも不要。それが由緒ある建造物を今日にまで遺しているのです。

 私たちの安全・安心な暮らしを脅かす自然災害。これからマイホーム建築を検討している子育て世代だけでなく、大切な子どもたちをあずかる保育事業関係者も、平時における災害への備えは必要です。工務店や設計士などに任せてしまうのではく、建築材料にこだわる目を持つことも必要なことだと言えるでしょう。

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