さいたま市保育園連絡会

あそびが子どもの心と体を育てる わらべうた「おてぶしてぶし」に合わせて、子どもたちと遊ぶ並木みどり先生
コロナ禍でおうち時間が増えるなか、子どもとの関わり方について、さいたま市大宮区で保育コーディネーターを務めた経験のある、並木みどり先生にお話をうかがいました。

保育園はあそびを提供する場

 あそびは「体を動かすあそび」「道具を使うあそび」「作るあそび」と大きく3つに分けることができます。「だるまさんがころんだ」「カルタ・折り紙」「笹舟・葉っぱのお面」など、どれも昔からあるもので、保護者の皆さんも誰もが経験したあそびではないでしょうか。現代ではインターネットを用いてさまざまなあそびの情報を入手することができ、外出先でもスマホで動画が見られる時代です。そのなかで時代とともにあそびの環境が変わっていることも事実です。「情報が多すぎて何を選べばよいか迷う。家事をしたい時についついスマホを渡してしまう」など、さまざまな声を耳にします。日々の忙しい生活の中で子どもと一緒にあそぶ時間が取れないのも、仕方がないことかもしれません。伝承遊びやわらべ歌など、子どもたちに経験してほしいものはありますが、それを保護者の方が実践するとなると大変です。そこで、保育園という場所であそびの提供をすることが重要であり、私たち保育者に求められることなのです。

子どもにとってあそびは人生の土台でもある

 子どもたちはあそびの中から多くのことを学んでいきます。しかし、必ずしも相手が親や先生とは限りません。子どもから子どもへ伝わるあそびが自然と残っていき、子どもたちが夢中になればなるほど、そのあそびは広がり、形を変えて伝わっていきます。それこそが伝承あそびなのではないでしょうか。
 現代では「あそべない子ども」が増えているように感じます。テレビやインターネットが与えるものは一方的な情報であり、子どもたちにとってそれは「受け身のあそび」になってしまっています。親や友だちと一緒にあそぶことで得られる「愛情・信頼・自律心・友情・集中力・自信」は、人生の土台そのものになっていきます。「相手の様子を見る」「相手に伝える」「相手の気持ちを考える」「相手と一緒に考える」など、どれも「受け身のあそび」だけでは学べないものです。こういった能力はあそびの中で培われ、しかし、目に見えて評価できるものではありません。あそぶことが子どもたちにとっての大事な学びとなるのです。

子どもに愛される絵本は必ず本屋さんで見つかる

 あそびと同様に、絵本も子どもたちにとってとても大切なものです。情報過多の時代、どの絵本を選べばよいのか悩んでしまう人も多いでしょう。保護者の皆さんにはぜひ本屋さんに足を運んでいただき、おすすめコーナーから絵本を選んでみてください。伝承あそびと同様に、子どもたちから愛されるものは自然と残っていくものです。好きになったものは本のセリフを覚えてしまうくらいに読みこむことでしょう。これもあそびと同じです。折り紙を真剣に折ったり、ずっとコマを回していたり。子どもたちにとってあそびは学びです。私たち大人は、子どもたちが安心して自由にあそべる環境を作っていくことが必要なのではないでしょうか。

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